こんにちは。
結婚相談所アーネクトのカウンセラーの釘宮です。
今日は、会員様からもっとも多い相談「価値観が違う」について書いていきたいと思います。
婚活をしていると、交際が終わる理由としてよく耳にするのが
「価値観の違い」ではないでしょうか。
「お見合いでは感じが良かったのに、交際が続かない…」
「また“価値観の違い”でお断りされた」
そんなご相談を、日々たくさんいただきます。
けれど実は、この言葉は“便利な断り文句”として使われることも多く、本当の原因は「価値観そのもの」ではないことが多いのです。
今回は、婚活の現場で多くのご成婚を見届けてきたカウンセラーの立場から、よくある“価値観の違い”の正体と、そこから抜け出すための解決策を詳しくお伝えします。
第1章:「価値観の違い」とは本当に“合わない”ことなのか?
「価値観が違う」と言ってお断りをする(される)場面は、お見合い後や仮交際中に非常によく見られます。
けれど実際に詳しく伺うと、多くの場合は「価値観の違い=話していてなんとなく違和感がある」という感覚的な理由。
つまり、「考え方が根本的に違っていて絶対に合わない」というよりも、“うまくかみ合わない”“一緒にいるイメージが湧かない”という段階で判断されてしまっているのです。
よくある「価値観の違い」ケース3選
① 金銭感覚の違い
お金の使い方は、その人の生き方そのもの。
たとえば「貯金は堅実にしたい派」と「経験にお金を使いたい派」では、どちらが正しいという話ではありません。
ただ、「無駄遣いだと思われた」「ケチだと感じた」など、感じ方が違うことで距離が生まれてしまうのです。
② 結婚生活への考え方の違い
家事の分担、共働きの考え方、子どもを持つかどうか…。
生活スタイルに直結するテーマは、価値観が顕著に出る部分です。
ここで大切なのは、すべてが一致する必要はなく、「違いをどう話し合えるか」という姿勢です。
③ 仕事・趣味・時間の使い方の違い
「仕事中心で頑張りたい」人もいれば、「家庭を大事にしたい」人もいます。
また、休日をアクティブに過ごしたい人と、ゆっくり休みたい人とではペースが異なります。
この“生活リズムの違い”を、お互いに尊重できるかどうかが大きなポイントです。
第2章:「価値観の違い」でお断りされる人に共通する3つの特徴
婚活現場で多くの方を見ていると、“価値観の違い”で断られがちな人には、ある共通点があります。
それは、次の3つです。
① 自分の考えを「正しい」と思い込んでいる
誠実で真面目な人ほど、自分の考えをしっかり持っています。
ただしその「しっかり」が、時に“押し付け”や“正論”に変わってしまうことがあります。
たとえば、
「結婚後はこうあるべきだ」
「家計はこのやり方が一番効率的だ」
といった発言が続くと、相手は「意見を言いづらい」と感じてしまいます。婚活では、正しさよりも、柔らかさが印象を決めます。
相手の考えをまず“受け入れる姿勢”が信頼につながるのです。
② 相手の意見を否定しないけれど、受け止め方が固い
一見、会話の中で「そうなんですね」と受け止めているようでも、表情やトーンが「納得していない」と伝わることがあります。
たとえば、
相手が「旅行が好き」と言ったときに、「私は人混みが苦手であまり行かないんですよ」と返すと、相手は“否定された”ように感じてしまうことも。会話の印象を変えるコツは、「そういう楽しみ方もあるんですね」と一度共感で受け止めることです。
③ 「歩み寄り方」を知らない
意見が食い違ったとき、つい「どちらが正しいか」で終わらせてしまう人がいます。
しかし、結婚はお互いに“心地よくすり合わせていく”もの。
「私もそういう考え方ができたらいいな」
「そこはまだ想像できていなかったです」
と、相手の意見に歩み寄る表現ができる人ほど、「この人となら話し合える」と感じてもらえます。
婚活における“合う・合わない”の判断軸は、価値観の一致よりも対話のしやすさなのです。
第3章:「違い」を受け入れる会話のコツ
価値観の違いを「合わない」で終わらせるか、「理解を深めるきっかけ」にできるかは、会話の仕方に大きく左右されます。
違いを話題に変える「魔法のひとこと」
たとえば、相手と意見が違ったときにおすすめなのが、この一言です。
「そういう考え方もあるんですね。どうしてそう思われたんですか?」
この質問には、相手を理解しようとする姿勢がにじみます。
人は“理解してもらえた”と感じたときに、初めて心を開き、価値観の違いを超えて関係を築こうとします。
印象が良くなる受け答え例
NG例:「それはちょっと違うと思います」
→ OK例:「私は少し違う考えを持っていましたが、その視点も面白いですね」
NG例:「うちはそんな風には考えません」
→ OK例:「それも一つの考え方ですね。私の家ではこうでした」
ちょっとした言葉の選び方で、「違い」を「会話の深まり」に変えることができます。
第4章:うまくいく人が実践している「価値観の寄せ方」
成婚された方の多くは、「価値観がピッタリ合っていた」わけではありません。
むしろ、「違いをどう受け止めて、歩み寄れたか」が鍵になっています。
自分の「譲れない軸」と「柔軟にできる部分」を整理する
婚活がうまくいく人は、自分の中で“譲れない価値観”と“調整できる価値観”を区別しています。
たとえば、
「子どもを持ちたいか」は譲れない軸、
「休日の過ごし方」は柔軟にできる部分、など。
ここを整理しておくと、相手との違いが出たときも、“妥協”ではなく“選択”として考えられるようになります。
「共通点を増やす」より「相互理解を深める」
共通点を探すことも大切ですが、最も信頼関係を育てるのは「違いを認め合うこと」です。
「相手の意見に納得できなくても、尊重できる」
このスタンスを持てる人は、関係が長続きします。
結婚生活とは、
価値観を“合わせる”ことではなく、“寄せ合う”こと。
小さな違いを受け止めるたびに、2人の絆は強くなっていきます。
「合わせようとしない」ことも大切
婚活が長引く人ほど、
「相手に合わせなければ」「嫌われないように」と思いがちです。
しかし、無理をして価値観を合わせると、後で苦しくなります。
「違いを感じても、それを受け止めてくれる人」を探す。
それが、真に“合う人”を見つける近道です。
第5章:カウンセラーからのアドバイス
婚活を長く見ていると、
“価値観の違い”を理由に交際が終わっても、その経験を糧に次の出会いで見事にご成婚される方をたくさん見てきました。
つまり、「価値観が合わなかった」という経験は、
“合う人を見極める力”を磨くためのステップでもあるのです。
「価値観の違い」は避けられないもの
育ってきた環境、仕事、家族との関係性が違えば、価値観が異なるのは当然のこと。
大切なのは、違いをどう扱うかです。
話し合える関係こそ、結婚生活の土台
実際の結婚生活では、価値観が完全に一致している夫婦など存在しません。
違いが出たときに「ぶつかる」のではなく、「話し合える」こと。
それが、幸せな夫婦関係を支える最大の力です。
本音を言っても受け入れられる関係を目指して
婚活では、つい「良く見せたい」と思って本音を隠してしまいがちです。
けれど、最終的に安心できる関係は、
“自分を偽らずにいられる関係”です。
違いを恐れず、自分らしく向き合うことで、
「本当に合う人」は自然と見えてきます。
【まとめ】
- 「価値観の違い」という言葉には、曖昧な断りの意味が含まれることも多い。
- 本当の原因は、価値観そのものよりも“会話のかみ合わせ”や“受け止め方”にある。
- うまくいく人は、「違いを楽しむ」「歩み寄る」姿勢を持っている。
- 結婚は、価値観を合わせることではなく、「理解し合う」ことの連続。
婚活の中で「価値観の違い」と言われた経験がある方へ。
それは、あなたが合わなかったというよりも、「違いを話し合える人」にまだ出会えていないだけです。
焦らず、比べず、自分の軸を持ちながら、
“分かり合えるパートナー”を一緒に探していきましょう。