こんにちは。結婚相談所カウンセラーの釘宮です。
今日は、婚活中の方から非常によくいただくご相談
「好きの感情がよく分からないんです」
について、じっくりお話ししたいと思います。
実はこれ、婚活の現場ではとても多い悩みです。
決して珍しくありませんし、「自分は恋愛に向いていないのでは…」と落ち込む必要もまったくありません。
むしろ、この悩みを抱えている方は
真面目で丁寧に人と向き合える方が多いのです。
今日は、
- なぜ好きが分からなくなるのか
- 好印象と好意の違い
- 恋を育てるためにできること
これらを、カウンセラー視点でわかりやすく解説していきます。
1.実は“好きが分からない”のは珍しくない
婚活をしていると、どうしても他の人の進み具合が気になります。
「みんなすぐに気持ちが盛り上がるのかな?」と焦る方も多いのですが、実際のところ…初対面で好きになる人は少数派です。
どちらかといえば、
- 可もなく不可もなく、普通
- 嫌ではないけど、好きでもない
- どんな人かまだよく分からない
これが、ごく自然なスタートライン。
でも、婚活になるとどうしても比較してしまいます。
アプリの世界では「タイプの人」が一瞬で見つかり、SNSでは刺激の強い恋愛が目に入り、ドラマや漫画では“運命的な恋”が描かれる…。
こうした外部刺激によって、現実の恋愛が地味に見えてしまうことがあります。
その結果、
「この感情は好きとは言えないのでは?」
「もっとドキドキする相手を探した方がいいのでは?」
と判断を急いでしまいがち。
でも、本来恋愛感情は自分のペースで育つもの。
早く好きになれるから偉いわけでも、ゆっくりだから劣っているわけでもありません。
2.「好印象」と「好意」はどう違う?
恋愛が始まりにくい人の多くが、
“好印象”と“好意”の違いが曖昧になっています。
この2つは似ているけれど少し違います。
■好印象とは?
- 丁寧な人だな
- 優しそうだな
- 一緒にいて不快ではない
- 誠実そう
- 話しやすい or 話しやすそうだと感じる
いわば 「スタート地点」 のようなもの。
■好意とは?
- もっと一緒にいたい
- また会いたいと思える
- 会う前に少しワクワクする
- 相手のことをもう少し知りたい気持ちが芽生える
- LINEの返信が来ると嬉しい
これは “育っていく感情” です。
ところが婚活では、
好意が育つ前にジャッジしようとする場面が多くなりがちです。
- 初回デートでキュンとしなかった
- 2〜3回会っても心が動かない
- ときめかないから違うかも
こんなふうに、まだ「好印象」しかない段階で「好きではない」と判断してしまう。
これは本当にもったいないのです。
よく言われるのは、
「最初は普通だったんです。でも、何度か会ううちに居心地がよくなってきて…」
という流れ。
好きになるスピードは人によって違います。
恋愛は「スタートダッシュ型」もいれば、じわじわ温まる「遠赤外線型」もいます。
大事なのは、
好印象を好意に育てる時間を自分に許せるかどうか。
3.好きの感情が分からない人の3つのパターン
「好きが分からない」という悩みには、大きく3つのタイプがあります。
(1)慎重タイプ:自分の気持ちを観察しすぎる人
真面目で丁寧な人ほど、自分の感情を言語化しようとします。
そのため
「今の気持ちは好意?それとも違う?」
「誰と会っても普通だから、相性が悪いのかな?」
と、気持ちを“分析”してしまいます。
しかし、本来「好き」は分析より体験から生まれるもの。
考えるより、
時間・コミュニケーション・感情の動きの積み重ねから育つのです。
慎重な人は恋愛に向いていないのではなく、ゆっくり育つタイプだというだけ。
(2)過去恋愛で傷ついた経験があるタイプ
元恋人から言われた心ない言葉、
一方的に終わった恋、
大きな失敗…。
そうした経験から、
心が「また傷つくくらいなら、好きにならない方が安全」と判断してしまう。
これは心があなたを守っている証拠。
もし過去に何かがあったのなら、今好きが分からないのは“自然反応”です。
あなたが悪いわけではありません。
(3)恋愛がゆっくり育つ「じわじわ型」の人
実は結婚向きなのがこのタイプ。
最初から盛り上がる恋より
安心・信頼・落ち着きから恋が育つタイプは長続きしやすいです。
このタイプの方は、
- 会っていくうちに好きになる
- 気づいたら安心感が増している
- 一緒にいて自然体になれる人を好きになる
こうした恋愛パターンが多いです。
ゆっくり育つ恋は確かな恋。
焦らず、自分のペースを尊重することで見える景色があります。
4.本当に大事なのは「好きかどうか」より“関係が育つかどうか”
婚活の現場で長年感じているのは、好きの瞬間より関係の育ちやすさが圧倒的に重要ということです。
たとえば…
- 話しやすい
- 気を遣わない
- 一緒にいて疲れない
- 相手が誠実
- 楽な沈黙がある
これらは、長期的な関係で最優先されます。
そして多くの成婚者さんが口にするのが、
「最初は普通だったけど、安心感が好きに変わりました」
という言葉。
つまり、恋愛は盛り上がりより育ちが大事。
「好きかどうか分からない」という段階は、むしろスタート地点としてはとても健全なのです。
5.好きの感情を育てる3つのステップ
では、どうやって“好印象”を“好意”に育てていけばよいのでしょうか。
ここでは、誰でもできる3つのステップをご紹介します。
① 相手の良いところを3つ見つける習慣
恋愛は感情のスイッチではなく、積み重ねで芽が出ます。
そのためには、まず相手をよく見ること。
単純なことでいいので、
- 丁寧な話し方
- 価値観が安定している
- 清潔感がある
- 自分の話を聞いてくれる
など、3つを探してみましょう。
これは無理に“好きになる努力”ではなく、好意の種を探す作業です。
感情を操作するのではなく、気づきを丁寧に拾っていくことが大切です。
② 自分がリラックスできるかをチェックする
好きの前段階には必ず「安心感」があります。
安心できる人とは、その場で余計な緊張がなく、無理に盛り上げようとしなくても自然に会話が続きます。
恋愛の世界ではドキドキが強調されがちですが、結婚において本当に大切なのはむしろこちら。
安心は恋の入口です。
③ 自分の感情を短期で判断しない
1〜2回会って心が動かないのは普通。
恋愛経験が少ない人ほど、自分の感情に“劇的な動き”を期待してしまいますが、現実の恋愛はもっと静かで穏やかです。
むしろ、
- また会ってもいい
- 嫌じゃない
- 気疲れしない
- 悪い人ではない
これらがそろっていれば、その先で十分“好き”が育つ可能性があります。
あなたのペースを尊重することが、恋の一番の近道です。
6.心が動いたかどうかの“微細なサイン”に気づく方法
「好きってこういうことかも」と気づけるために、小さなサインをきちんと受け取ることも大切です。
たとえば…
- 次に会ったとき話したいことをふと思う
- LINEの返信が来ると少し嬉しい
- 相手の話を誰かに話したくなる
- 「今日はどうしてるかな」と一瞬思う
- デートが終わったあと、心が軽い
これらはすべて、好きになりかけているサインです。
恋愛が苦手な方ほど、この微細な気持ちをスルーしてしまいがち。
「好きかどうか分からない!」と悩む前に、小さな気持ちを拾ってあげてください。
それだけで恋は前に進みます。
7.好きが分からなくても恋はちゃんと育つ
最後に、今日お伝えしたいことを整理しますね。
- 好きが分からないのは“よくあること”
- 好印象と好意は違う
- 恋愛は“盛り上がり”より“育ち”が大事
- 自分の恋のペースを理解することが大切
- 安心感は恋の入口
- 小さな気持ちの動きに気づいてあげることが必要
恋愛が苦手でも、好きが分からなくても、恋はゆっくり確実に育っていきます。
あなたに必要なのは、劇的なときめきではなく自分のペースを大切にしながら関係を育てる勇気だけ。
そして、婚活は一人で迷い続ける必要はありません。
分からないまま進んでしまいそうなとき、モヤモヤした感情の整理は、カウンセラーがお手伝いできます。
どうか一人で背負わず、気持ちを共有しながら進んでいきましょう。
あなたの恋は、今、静かに始まっているのかもしれません。









